秋田の未来と、ちょっと不思議な「透明なドア」の話

今日も、秋田の未来について、少しだけ肩の力を抜いて話してみないか。
コロナ禍以降、オンラインで会議や面談をするのが当たり前になったけれど、もうずいぶん経つような気がするね。
僕らが初めてオンラインで会議をした頃は、接続環境を整えるのが本当に大変だったんだ。今みたいにTeamsとかZoomとか、誰でも知っている便利なアプリなんて、まだ普及していなかったから、みんなでかなり苦労したものだよ 。
出張のロマンと、消えた旅費
ひと昔前なら、県外の人と仕事で話すには、時間をかけて出張するしかなかった。仕事の効率だけを考えれば、ずいぶん無駄な時間かもしれない。
でもね、旅好きの僕としては、それが結構楽しみだったんだ。会社から旅費が出るわけで、仕事に余裕があれば出張の翌日に休暇をくっつけて、訪問先で観光もできた。それに、出張が増えれば、訪れた場所にお金を落とす機会も生まれてくる。
ところが今は、オンラインでサッと済んでしまう。効率はいい。だけど、旅の楽しみや、旅先への小さな経済効果は失われてしまった。さらに、最近は物価高騰のせいでホテルの宿泊代も上がり、会社からもらう旅費では賄いきれないことも多くなった。なんだか二重に切ない話だよね。
透明な扉を開けてごらん:君たちの新しい世界
この「オンライン化」の波は、僕らの仕事の世界だけでなく、君たちの学ぶ世界、つまり学校にも押し寄せている。君たちの世代はもう「GIGA端末」(一人一台のPCやタブレット)を使って学習することが増えてきたんじゃないかな。
実はこれ、先生たちにとってものすごく大きな変化なんだ。昔ながらの方法だと、先生たちは宿題やテスト、アンケート、各種の連絡事項を、せっせと印刷して、配って、回収して、集計して、採点していた。膨大な量の紙と、膨大な時間だ。
でも、今はどうだろう?汎用クラウドツール(専門用語は使いたくないけど、要するにインターネット上で使える便利な道具だと思ってくれ)を使うことで、紙を印刷したり配ったりする作業が大幅に減るんだ。宿題や課題の回収・集計・採点の負担も減るし、連絡物が紛失するリスクも低くなる。保護者への連絡も、都合の良いタイミングでスマートフォンから読めるようになって、満足度も上がっているらしい。
つまり、学校という場所が、デジタル化によって、効率的で柔軟な働き方(教職員の働き方改革)を実現できる場所へと変わりつつあるってことだ。例えば、職員会議だって、対面だけでなくオンラインで参加したり、録画を後から見たりできるようになる。遠方への出張時や在宅勤務でも参加可能になるんだ。
君たちの世代が、すでにこの「デジタルの効率化」を経験しているというのは、すごく大きなアドバンテージだと思うよ。
秋田の未来とロケーションフリーの生き方
僕がここで言いたいのは、君たちがこれから社会に出る上で、地理的な制約がどんどん「透明なドア」のようになっていく、ということだ。
リモートワーク(場所を選ばない働き方)は、中途採用の世界でもトレンドになってきている。これは、秋田にいながらにして、県外や都市部の企業とつながって仕事ができる可能性を意味する。学校の先生たちも、オンラインで研修を受けたり、会議に参加したりできるようになって、柔軟な働き方が可能になっている。以前、県外へ行かないとできなかった面談や研修が、オンラインで実現できるようになった。これは、君たちがもし「一度秋田を出て都会で働いてみたいけど、いつかは戻りたい」と考えているなら、その後の働き方を劇的に変えるかもしれない。
もちろん、何事にもメリットとデメリット、二つの側面がある。
オンラインでのやり取りは、対面でのやり取りと違って、言葉のニュアンスが伝わりにくかったり、間の感覚が捉えにくかったりするデメリットもあるんだ。スクールカウンセラーの面談も、基本は対面が望ましいとされていて、オンラインは学校での実施が困難な場合の対応方法の一つだと考えられている。オンラインだと、リラックスして話せる一方で、学校に来るきっかけを失う生徒もいるかもしれない。
でも、君たちが当たり前に使えるデジタル技術は、将来、秋田に住み続けるにしても、一度外に出るにしても、君たちのキャリアや生活の自由度を確実に高めてくれるはずだ。
高校生でさえ、オンラインでの就職活動は「普通にできる」と言われているのに、ボトルネックになっているのは、大人の世界のルールや環境整備の遅れだったりする。
この新しいデジタル時代の波を、秋田の若者である君たち自身がどう乗りこなし、秋田の未来に活かしていくのか。
例えば、オンライン面談が増えれば、わざわざ交通費をかけて県外の企業の説明会や面接に行かなくても、自宅から参加できるようになる。これは、物理的な距離のハンデを埋めてくれる。
もちろん、実際に足を運んで得られる空気感や、旅先で味わうちょっとした感動は、オンラインでは得られない。でも、効率化によって生まれた時間を、秋田の地で、君自身の成長のために使うこともできる。どちらが良い、と僕から押し付けるつもりはないよ。
ただ、目の前にある「透明なドア」は、君たちの努力とアイデア次第で、秋田の可能性を外に開く大きな窓にもなるし、外のチャンスを秋田の中に招き入れる入り口にもなる。君には、そのドアの向こうに何が見えるだろうね? ぜひ、コーヒーでも飲みながら、考えてみてほしい。

