情報との付き合い方

最近、ニュースをどのように見聞きしているかな?
スマートフォンの画面を指でさっとスワイプするだけで、世界中の出来事が手に入る、便利な時代になったよね。でも、情報があふれているからこそ、「何を、どう選んで、どう考えるか」が大事になってくる。
今回は、秋田の君たちが、これからの地域を考えるための「情報との付き合い方」について、少し肩の力を抜いて一緒に考えてみたいんだ。
僕も君たちと同じように、スマートフォンのニュースアプリをちょこっと覗くだけ、なんてことがほとんどだよ 。新聞はもう何年も定期購読していない 。でもね、新聞が「いらないもの」だとは全く思っていないんだ。それぞれの情報ツールには、素晴らしい点も、ちょっと困った点もある。いろいろな選択肢があるからこそ、君に合う方法を見つけるのが、これからを生きる上での大事なヒントになるんじゃないかと思うんだ。
情報の海に漕ぎ出す船:紙の新聞という選択
昔から慣れ親しんだ紙の新聞は、実は今も揺るぎない魅力を持っているんだ。
メリット:信頼と文章力アップ
まず、新聞は情報源としての信頼度が高い、という点は見逃せないね。2024年の調査でも、新聞はNHKテレビに次いで2番目に高い信頼度を得ているんだ。世間ではメディアへの不信感が言われることもあるけれど、それでも多くの人が新聞を信頼しているのは事実だ。特に秋田のような地域では、秋田魁新報が世帯普及率44.93%とダントツの1位を占めているように、地方紙は地域密着の情報を詳しく報じる力を持っているんだ。地域独特のニュースや生活情報に関心が高い住民に支持されているんだね。
そして、紙の新聞を読むことのもう一つの大きなメリットは、君自身の学力や思考力を磨く助けになることだ。新聞の文章はとても読みやすいように工夫されているから。毎日読んでいれば、読みやすい文章を書く力も自然と身につくと思う。保護者の約7割が、子どもに新聞を読んでほしい理由として、読解力や語彙力、漢字の学習に役立つから、と答えている調査結果もあるんだ。大学受験の出題に、新聞記事から引用されることが多いのも、見過ごせない事実だよね 。
デメリット:お金と場所と時間の問題
もちろん、新聞を購読することにはデメリットもある。まず、毎月の購読料だ。新聞の購読料について「高い」と感じている人が全体の53%もいるというデータもある。今の物価高の時代では、無料で情報が得られるインターネットがあるから、「不要不急の支出」と見なされがちだ。
それから、僕にとって一番大きな問題は、「紙の処分が面倒」なことなんだ 。旅行中にまとめて買って読むのは好きだけど、家にいると、どんどん新聞がたまっていくのが、購読をやめる理由の一つになってしまう。紙を使うことへのエコ意識の高まりを理由に、デジタル版へ移行したいと考える若者や企業も増えているんだ。
特に秋田の場合は、地元紙である魁新聞のデジタルサービスが、県内在住者だと紙の新聞も一緒に購読しないといけない、という仕組みになっている。料金は変わらないらしいけれど、「紙はちょっと避けたいな」という層の気持ちも汲んでほしいものだよね 。
スマホの速報性と「フェイク」の影
君たちが日常的にニュースに触れているのは、きっとスマートフォンだろう。インターネットニュースは、接触率で民放テレビに次いで2位(74.3%)、特に20代から50代まではインターネットが情報源として一番多いんだ。
メリット:手軽さと速さ
インターネットの最大の魅力は、その手軽さだ。ニュースを見るときの機器は、94.3%がスマートフォンや携帯電話を使っている。僕だって、毎日のニュースチェックは1、2分で終わらせる、という習慣が身についているのは、インターネットのおかげだ。大きなニュースがあったとき、最も情報が入りやすいと感じるのも、テレビ(72%)に次いでインターネット(64%)なんだ。
無料の情報が豊富にあるから、「他の情報で十分だから新聞はとらない」と答える人が76%にも上っている。この「無料」と「手軽さ」は、特に経済的な負担や時間の余裕がない若い世代にとっては、抗いがたい魅力だね。
デメリット:信じすぎちゃいけない
ただ、インターネットの情報には、紙の新聞とは違うリスクがある。それが「信頼性の低さ」と「フェイクニュース」の脅威だ。
一般的にインターネットのニュースの信頼度は、新聞やNHKテレビに比べて低い。そして、近年問題になっているのがAIが作った「フェイクニュース」だ。生成AIで作られたフェイクニュースに「だまされない自信がある」と答えた人は、わずか11%に過ぎず、なんと88%の人が「自信がない」と感じているんだ。膨大な情報が手に入る一方で、その真偽を見抜く力が、私たちには求められている。
だから、僕がやっているように、気になるニュースを見つけたら 、後からシンクタンクのレポートや国が発表している通知文書等、元となる情報を確認しに行く、という一手間が大切になってくる 。
秋田の未来は、情報の深掘りから
地方紙を取り巻く環境は、全国的に厳しいものがある。全国紙の発行部数がこの10年で激減しているのは知っているかい?かつて1000万部を誇った新聞が、今では500万部台に落ち込んでいるくらいだ。
でも、地方紙が地域の課題解決に取り組む努力は続いている。地域のイベントや住民の声を積極的に取り上げたり、学校教育で新聞を活用するNIE(Newspaper in Education)という取り組みを推進したりしている。君たち秋田の若者が、これから秋田で働くにせよ、一度外に出て戻ってくるにせよ、この地域の未来を考えるためには、地域に密着した情報が不可欠だ。
情報を活かし、議論の土台を作る
ローカルな広報は、まだまだテレビや新聞、チラシが強い。これは秋田でも同じだと思う。高齢化が進む地域にとって、戸別配達を「続けてほしい」と考えている人が51%もいるように、紙の新聞のインフラはまだ重要なんだ。
君たちの世代が地域に目を向けるための選択肢として、NIEで新聞を読み、要約し、自分の意見を書く訓練をすることは、将来の面接や小論文対策にも繋がるという期待もある。これは、新聞社側が購読者減少を防ぐために力を入れている分野でもあるんだ。
だから、君には、新聞の「信頼性」と「地域密着度」を味方につけながら、インターネットの「手軽さ」と「速報性」をうまく組み合わせる情報術を身につけてほしい。
どちらか一方に偏る必要はない。新聞を読んでしっかり腰を据えて考える時間を持つこと(そして、たまった新聞を捨てる時には「よし、また来週!」とユーモラスに一区切りつけること)、そしてスマホで情報を素早くキャッチすること。その両輪で、秋田の抱える課題(高齢化や過疎化など)に目を向け、深く掘り下げて考えてみよう。
情報収集の仕方に、絶対の正解はない。でも、情報を選ぶ過程で、君自身の「考え」が生まれるんだ。その考えこそが、未来の秋田を作っていくための大切な素材になるんじゃないか。僕も、君たちがどんな未来を考えてくれるのか、楽しみにしているよ。

