デジタル社会の鍵と秋田の未来:君のIDカードが持つ意味

 

 僕たちが今、住んでいるこの国は、ゆっくりと、しかし確実にデジタルという名の新しい季節へと衣替えをしている。その流れの中で、誰もが一度は耳にしたことがあるだろう「マイナンバーカード」という一枚のプラスチックのカードが、案外重要な意味を持っているんじゃないかと、最近つくづく思うわけだ。

 デジタル社会への招待状

 日本でマイナンバー制度が始まってから、ずいぶん経つように感じるけれども、いまだにカードを持っていない人もいる。君の周りにもいるかもしれないね。ただ、君たちの世代、つまり17歳から19歳の若者全体を見ると、行政の手続きがデジタル化されることについては、6割以上が「進めるべきだ」と考えているという調査結果がある。この数字は、若い世代が未来を前向きに捉えている証拠だと思う。

 マイナンバーカードは、行政の効率化や国民の利便性を高め、公正な社会を実現するための社会基盤、いわばデジタル社会の「鍵」として位置づけられている。

 アルバイトを始めるときや、将来、奨学金の手続きをする際にも、自分のマイナンバーを示す必要が出てくる。その時、顔写真のついたマイナンバーカードがあれば、それがそのまま「君が君自身であること」を証明する公的な書類にもなるんだ。運転免許証のようなものだと思えばいい。もし今、運転免許証を持っていなくても、このカードが一枚あれば、いろんな場所で本人確認がスムーズに済むことになる。

時間を買うって、いいことだ

 このカードを持つ一番のメリットは、なんといっても「便利さ」と「時間の節約」だろう。
 例えば、役所の窓口が開いている時間に、住民票の写しを取りに行くのはなかなか面倒なものだ。授業やバイトで忙しい君にとっては、なおさらだろう。けれど、マイナンバーカードがあれば、近くのコンビニエンスストアで、必要な証明書を簡単に手に入れられる。雪が降る寒い日や、夕方遅くに急に必要になった時でも、わざわざ遠くまで出かけずに済むというのは、結構な恩恵だと思わないか。僕なんかは、冬の秋田の雪かきから解放されるだけでも、大きなメリットだと感じてしまうよ。

 そして、健康に関わる部分でもメリットは大きい。マイナンバーカードを健康保険証として使えるようになったのは、君も知っているだろう。これを使うと、引っ越しや転職で保険証が変わっても、そのまま継続して利用できるし、さらに、君が過去にどんな薬を飲んだか、どんな健診を受けたかといった情報を、医師や薬剤師と共有することに同意すれば、そのデータに基づいた、より適切な医療を受けることができるんだ。
 特に複数の医療機関にかかっている場合や、災害時のような緊急事態においては、この情報の共有が迅速な本人確認と的確な治療に役立つことが期待されている。

不安の雨宿り、そしてデジタル化の波

 でも、もちろん、デジタル化には不安もつきものだ。
 カードを持たない理由として、多くの人が「情報漏洩が怖い」という不安を挙げている。2015年の古い調査にはなるけれど、「不安だ」と答えた人の59.5%が情報漏洩を心配していた。これは当然の感情だ。システムの不具合で、医療費の負担割合が違っていたり、情報が別人と紐づけられてしまうといったトラブルも実際に起きているのだから、警戒するのは当たり前だ。

 ただ、君がカードを取得しようがしまいが、君の個人情報が完全にリスクから解放されるわけではない。僕の考えでは、リスクを完全にゼロにすることは難しいけれど、そのリスクを理解した上で、デジタル社会の「恩恵」をしっかり受け取っていく姿勢が大事だと思う。

 ちなみに、カードのパスワードをいくつも覚えるのが不安、という声も多いらしい。これについても、暗証番号の設定が不要な「顔認証マイナンバーカード」も導入されたので、暗証番号の管理が苦手な人でも、健康保険証や本人確認書類として利用できるようになったよ。

秋田の未来は、デジタルが握る鍵

 君がこの先、秋田で暮らし、働き、地域を支えていくことを考えてみよう。秋田のような、人口が減り、高齢化が進む地域でこそ、デジタル化は必須のツールとなってくる。

 政府は、介護や医療の分野で、地域の実情に応じた柔軟なサービス提供体制を構築するために、人員配置基準の弾力化や包括的な評価の仕組みを検討している。また、中山間・人口減少地域でも持続可能な医療提供体制を築くための医師偏在対策なども進められている。

 こうした取り組みの背後には、情報連携の推進、つまりデジタル化の基盤整備が不可欠だ。デジタル技術は、人手不足に悩む地方の産業の効率化や、地域社会の課題解決を推進するための重要な要素だ。秋田がこの先も住みやすく、活気ある場所であるためには、行政サービスから産業まで、デジタルをうまく活用していく必要がある。

 そして、このデジタル化の波はもう後戻りしない。例えば、2024年の秋に健康保険証は廃止され、マイナンバーカードに一体化されている。さらに、2025年9からは、準備が整った医療機関で、マイナンバーカードの機能がスマートフォンに搭載され、「スマホマイナ保険証」として利用できるようにもなった。
 つまり、物理的なカードを持ち歩かなくても、スマホさえあれば、カードと同等の機能が使えるよになったわけだ。物理的なカードは、家で大切に保管しつつ、スマホで便利に使うのが、これからの賢い付き合い方になるだろう。

 マイナンバーカードは、ただの「カード」ではなく、君がこれからのデジタル社会で便利に、そして正確に「君自身」であることを証明し、行政サービスを受けるための「ドアを開ける鍵」なんだ。
 もちろん、僕たちは誰からも考えを押し付けられるべきじゃない。カードを持たないという選択も尊重されるべきだ。けれど、将来、君が「あの時作っておけばよかったな」と後悔することがないよう、このデジタル化の波をしっかりと見極めて、自分の未来のために前向きに活用してみてはどうだろうか。それはきっと、秋田の未来を君自身の力で切り開く、小さな第一歩になるはずだ。

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